6600ボルトのひみつ

ほとんどの場所で空を見上げると、電線があります。

いろいろな種類の電源がありますが、その中でも身近な場所にあるのが100V(ボルト)の電源(コンセント)でしょう。

でも、始めから100Vで送られてくるわけではありません。

超高圧で送電

発電所の発電機で作られる電気は12,000Vや23,000Vといわれますが、そこからさらに275,000V、500,000Vといった超高電圧に昇圧されます。

なぜそんなに高い電圧で送電する必要があるのでしょうか?

効率的な送電のために

電線は電気を流しますが、電線が長くなれば、抵抗値が大きくなり熱となって無駄が生じてしまいます。

実際に1,000Wの電力を発電所から各家庭に送るために必要な電流を計算してみましょう。

電力とは電圧×電流のことなので、式を変形すると、電流=電圧÷電力となります。

1000Vの電圧で送電すると、

電線には1Ωの抵抗があると仮定します。

オームの法則により、電圧は電流×抵抗なので、

    電線には1Vの電圧がかかっています。

    そのために、最終的な電圧は、

    となり、電力=電圧×電流の式に当てはめると、

    となります。

なぜ6,600V?

高い電圧のもとでは、効率よく送電できることは理解できますが、なぜ高圧の規格は、6,000Vではなくキリの悪い6,600Vなのでしょうか?

電圧が高いと、それに対応できる絶縁体が必要になります。

今でこそ高品質な絶縁物質で電線を作ることができますが、昔の技術では遠くなるにつれ電圧降下が著しくなるため、末端電圧で6,000Vを想定し10%を上乗せした6,600Vを送ることに決まったとか。

技術の進歩と、歴史的な制度とのギャップが、この数字に表れているのですね。